─ 150万円でスタートした10年以上続く繁盛店 Bar Vagabond ─

BAR VAGABOND master 江藤さん×木戸一男建築デザイン 木戸一男

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STORY

江藤さんが独立を強く意識したのは飲食業界に従事してから約7年後。

「とりあえず独立をして、やりながら軌道修正すればいい。」とフランスから帰国後、

具体的に決意され、bar vagabond の1号店へ歩みだします。


bar vagabond1号店

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江藤さん(以後ETO)

小さくてもこだわりを持ったお店を作る。

そして、自分の意思をそこにすべて反映させたいと思っていました。

当初の予算は150万円だったので、お酒を買い揃えるだけでどんどん予算はなくなっていきましたよ(笑)

 

木戸(以後KIDO)

そうでしたね(笑)

最初は、『正直150万円の予算で店ができるのか?」とかなり悩みました。

お客様が利用してくれて、お金をいただく空間ですから、付加価値が必要ですからね。

まぁ、なんとかするのが我々の強みですから、なんとかなりました。

 

ETO

(笑)

 

── 自分のお店のコンセプトを作り上げるために、木戸Dの事務所に何度も足繁く通いました。 ──

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ETO

1号店が立ち退きになることが決まって、2号店の出店を検討している時に、お店のイメージを自分の中で作り上げるため、色んな写真や資料をスクラップしていました。

その資料収集のために、木戸Dの事務所へ足繁く通ってましたよね。覚えてますか?

 

KIDO

懐かしいですね~。

事務所をステーション代わりに利用してもらえて、私たちもモチベーションが上がりました。

 

ETO

あの頃のスクラップはまだ大事にとってあります。

 

── オーナーの思いを必ず実現させる。いくら低予算でも必ず。 ──

KIDO

予算の中、『オーナーさんの思い』をいかに実現させられるか。

そこが僕たちの腕の見せ所でした。

1店舗目は間接照明、2店舗目はワインセラー。

どちらも納得いく形で実現できたんじゃないかな?と自負しています。

そこで質問なのですが、江藤さんのお店づくりへのこだわりの基準を聴かせてください。

 

ETO

そうですね、岡山市内で選ばれるお店であるためのコンセプトに必要な要素であれば、コストがかかっても、こだわりたいという気持ちはあります。

 

KIDO

なるほど。・・・。

僕たちはデザイナーとして、そういうオーナーさんのこだわりを更に活かせる方法をいつも考えていて、空間をただ設計しているだけじゃなくて、

営業中の情景やオペレーションなんかは必ずイメージしながら設計するように心がけています。だから時には、長い目で見て、商売繁盛につながると確信できることであれば、

オーナーさんの思いとは逆のアドバイスをすることもあります。

 

── 素人では到底わからないプロからのアドバイスがさすがでした。 ──

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ETO

オーナー側のお店へのこだわりはもちろんあります。

でも、専門的な知識や知らないことは山ほどあって。。

素人が到底気がつかないプロのアドバイスがなければ、今のような良いお店はもちろん創れなかったと思います。例えば出入り口前の壁の厚みやコルクのディスプレイとかの発送は、

さすがだな!!という感じです。

 

KIDO

ありがとう(笑)これからも継続していきたいと思います!

 

── お店を続けていく中でじわじわくる「よさ」がたまらない。潰れないお店のセオリーはこんな所にもにあるんだなと。 ──

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ETO

実は、うちのトイレはすごく好評で、利用されたお客様から「すごいね。」「かっこいい。」とお褒めの言葉をいただくことが多いんですよ。

木戸さんのデザインしたお店は潰れないと評判ですけど、お店を続けていると、じわじわと来る「良さ」があるんです。

トイレは一例ですけど、、。潰れないお店の法則はこういうものが重なりあってできているんですね。

 

KIDO

江藤さんのこだわりが刺激して、僕らのスイッチを入れてくれたんだと感じています。

次はもっとすごいの創りますよ!

 

─ 経営的なアドバイスをしてくれる空間デザイナーってなかなかいないと思うんです ─

 

KIDO

最後に、店舗設計の依頼をしたいと思っている創業者の人たちに何かアドバイスしたいことってありますか?

 

ETO

是非、建築デザインはもちろんですが、それだけでなく、経営的なアドバイスをしてくれるデザイナーに出会って欲しいと思います。

そういう点では木戸さんに頼んで良かったと思っています。

 

 

また、創業時には変なこだわりを持ってしまって、こだわらなくても良いところにお金をかけてしまったり、視野が狭くなってしまいがちなんですよね。

そういう部分をそぎ落として、最終形のお店を造りあげてもらえたので本当に良かったと思っています。

それに、お店を続けていると思うことなのですが、経営者というものはとても孤独・・ですよね?

 

KIDO

孤独です(笑)

 

ETO

なので、お店のデザイン面はもちろん将来の夢まで、相談が気軽にできる相手として木戸さんの存在は大きいです。感謝しています。

 

KIDO

嬉しいですね!

僕たちの強みは、お店が出来上がった後にも発揮されるかなと思っています。

少しでもその店舗が繁盛するように、デザイン面と経営的視点の両方からアドバイスができるような立場でありたいと常々思っています。 

今まで飲食店に限らず、本当にいろんな経営者の人たちを見てきました。

その経験があるからこそ、本人たちが気付いていないところをサポートできるんじゃないかな。と思っています。

 

ETO

この先新しいお店を出店する時もまた、木戸Dにお願いすると思います!

 

KIDO

ありがとうございます。是非お待ちしてます!

 

── 2016.12.15  BAR VAGABONDにて ──

 

江藤さん profile
1974年生 福岡県うきは市浮羽町出身

1996年 大学卒業と同時に兼ねてから興味のある飲食業に就職。
在学中に学んだサントリーバーテンダースクールでの経験を生かし全250席の大型レストランにてホール主任として従事。1年後同店店長となり飲食業の基本知識と組織管理の重要性を学ぶ。

1998年 店舗プロデュース会社の飲食事業部に入社。 のちに中国香港支社において数々の飲食店を立ち上げパティシエとしての技術を学ぶ。帰国後イタリアレストラン、ダイニングバー、 ワインバー等様々な飲食店にて経験をつむ。

2000年 1年後の独立開業を予定し単身フランスへ渡る。日本では味わえない西洋の食文化や多民族コミュニティでの独自の価値観、ワインの知識を学ぶ。

2001年 帰国後岡山市北区柳町にワインを中心にしたレストランバー
「BAR VAGABOND」をオープン。

2006年 岡山市北区平和町に拡張移転。

2008年 同店舗の運営業務をサクレクール株式会社に法人化。代表取締役に就任。

現在に至る。

 

Bar Vagabond

〒700-0827 岡山県岡山市北区平和町6‐27 WAKAビル1階
Call 086-233-2526